コンセプト
前回、コンテンポラリー・ジュエリー は「素材問わず、作家のコンセプトを基に作られるジュエリー」とされている事が分かりました。
つまり、「コンセプト」があれば、アートのイメージの代表格「一点物」でなくとも、コンテンポラリージュエリーに分類されます。
次に最大の特徴、コンセプトについて考えてみましょう。
作家として、またこの分野のファンとしての経験上、コンセプトの内容・深み、そこに個人的経験や作家自身の哲学が含まれるかは様々です。
また、それが作品に直接的に目に見える形で現れるとも限らないと言えると思います。
例えば数学の難問や、ギリシャ神話をテーマに制作された作品が、難解複雑なビジュアルでなく、ある作家を通すとシンプルに、また別の作家を通すとファンシーな様相で表現されるかも知れません。また、悲惨な経験を基に制作された作品が、羽の様に軽く優しく可憐かもしれません。
全て作家の解釈と感性・表現に委ねられます。
三者三様、共通定義のないこの解釈は、つけるもの、見る者へ自分自身で作品を捉える余白までをも与えます。
それはある種、作品を通して生じる「豊かな誤解」なのかも知れません。
その「誤解」の中に感性をみて、我々はジュエリーとの個人的な関係を築き思い入れを育んでいくのでしょう。
次回はこの「誤解」が生むストーリーや価値について考えて行きたいと思います。
コンテンポラリー・ジュエリー グループ展
WARP Tokyo-Barcelona
会期: 東京 2020年12月14日(月)〜12月20日(日) 銀座ACギャラリー
巡回展: スペイン・バルセロナ 2021年9月25日〜 CONTEXT Gallery
WARP Tokyo - Barcelona
キュレーション: 貝原奈積 @natsumikaihara
協力: 銀座AC,Gallery
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